野菜豊かなベトナムだからこそ。仕込んでおきたい、我が家のラタトゥイユ
ホーチミンの市場へ行くと、いつも目に留まる野菜があります。 艶やかに黒光りする、子どもの腕ほどもある大きな茄子。 赤、黄、緑色のずっしりと重く、肉厚なパプリカ。 高原地帯のダラットから届く、皮の薄い真っ赤なトマト。 そして、日本のものとは少し姿が違うけれど、頼もしい大ぶりのズッキーニ。 どれも特別な野菜ではありません。 市場に行けば、いつもの場所に当たり前のように並んでいます。 そんな野菜たちを見るたびに作りたくなるのが、ラタトゥイユ。

これだけ買っても8万VNDほど、日本円だと500円くらい。 フランス南部の家庭料理ですが、実はベトナムの市場野菜とも相性がいい。 むしろ、これだけ野菜が豊富に手に入る土地だからこそ、 暮らしの中で活躍してくれる料理なのではないかと思っています。 作り方はとてもシンプル。 ただし、我が家には2つのルールがあります。 茄子とズッキーニは、大きめに切って素揚げする。 最初は炒めていたのですが、素揚げした方が野菜の輪郭がしっかり残ります。

煮込んでも崩れにくく、口に入れた時の満足感が違うのです。 そして、パプリカは直火で真っ黒になるまで焼き焦がす。

見た目は炭化して驚くほどですが、冷ましてから皮をむくと、 中から現れる果肉はとろりと柔らかい。 甘みもぐっと増して、まるで別の野菜になったようです。

準備できたらにんにく、 たっぷりのトマトと、少しだけトマトペーストを加えて、 じっくり煮込みます。 鍋の中で野菜たちがゆっくりと馴染み、 赤く艶やかなソースになっていく時間といったら、嬉しいものです。

完成したラタトゥイユは、そのままでも立派な一皿。 冷えた白ワインのお供にもいいし、パンにのせても美味しい。 ただ、翌日になるとさらに味が落ち着き、旨みが増している。 野菜たちの味がすっかり馴染み、鍋の中でとろける感じ。 ゴロゴロと存在感はあるものの、味の統一感が半端ない。 そして何より便利なのが、その応用力。 パスタソースにしてもいいし、 チーズを重ねればラザニア風になる。 卵と合わせてオムレツの具にしてもいいし、 ご飯と炒めれば野菜たっぷりのチャーハンにもなる。 カレーの具材にもなる・・・その前に食べ切りますが。 最近のお気に入りは、バゲットにのせて軽く焼く食べ方。 忙しい日でも、冷蔵庫にラタトゥイユがひと鍋あるだけで、 「今日は何を作ろう」と慌てなくて済みます。

野菜が安くて美味しい国だからこそできる贅沢。 日本にいた頃は、ラタトゥイユを少し洒落た洋風料理だと思っていたけど ベトナムで暮らすようになってからは、印象は一変。 市場で手に入る野菜をたっぷり使い、保存が利いて、何通りにも姿を変える。 ベトナム暮らしの台所に欠かせない、我が家の定番です。 移住生活ランキング
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