焼き春巻きと、母の卵枕 ― ベトナムの「包む料理」を考える
冷蔵庫を開けると、野菜の余り物が少しずつ溜まっていた。 こんな日は、春巻きを巻くのだよ。 と言いながら、我が家は揚げません。 オーブンレンジで焼く、焼き春巻きスタイル。 カロリーオフ、パリッと軽く仕上げたいから。 日本にいた頃は、余り野菜が出ると餃子を作ったけど、 ベトナムに暮らすようになってからは、春巻きに変わった。 なかでも、我が家の焼き春巻き用のライスペーパーは、 網編みタイプがお気に入り。

⚫️確か、13000VND=80円弱(20枚くらい入ってる) 全面がつるりとしたタイプよりもサクッと軽く、 揚げるときも爆発しにくいので、雑な私にはピッタリ。 今夜の具は、 干し椎茸、キクラゲ、蓮根、キャベツ、ひき肉、パクチー。 塩ライムとベトナム醤油で味付けし、 手でこねこね、こねこね。 編みライスペーパーに、ささっと巻いていく。 具を作りすぎたので、ややぎゅうぎゅう。 網目から肉が少しはみ出す。 ところどころ、網も破れる。 まあ、それが家庭料理というものですねぇ。

⚫️油をシュッと表面に塗りつけて〜 それにしても思うけど、 ベトナムは、本当に「包む料理」が多い。 人が集まると、肉や魚がど〜んと出てきて、 そこには野菜とライスペーパーももれなく付いてくる。 香草、野菜、肉、魚。 好きなものをのせて、くるりと包んで食べる。 感覚としては、日本の手巻き寿司に近いかな。 料理として最初から包まれているものも多い。 たとえば春巻きだけで · 生春巻き · 揚げ春巻き(チャーゾー) · 蒸した春巻き バナナの葉に包んだ料理もいっぱいあって、 もち米料理のバインテットやバインチュンのような正月料理 食べ物を包む文化が、生活のあちこちにある。 なぜベトナムには、こんなにも「包む料理」が多いだろう? 調べてみたら 水田文化の国では、 葉やお米で、紙のように加工できる素材が身近にあり、 食べ物を包んで保存する知恵が発達したとも、いうことらしい。 また、香草や野菜と一緒に包むことで、 味のバランスをその場で整えるという意味もある、みたい。 料理は、皿の上で完成するとは限らない。 食べる人の手の中で完成する料理もあるのですね〜。 包む料理については、少し思い出す料理がある。 私にとっての「包む料理」。 それは、母のオムレツ。 我が家のオムレツは、少し変わっていた。 卵焼きの中に具を詰めて巻いたものを、そう呼んでいた。 形はオムレツというより、 黄色い枕の中に餡が詰まったようなもの。 母の得意料理で、お弁当によく登場する一軍メニュー! 玉ねぎ、にんじん、ピーマン、椎茸などを合挽き肉を炒め、 醤油と砂糖で甘く味付けした餡。 それを卵で、くるんと巻く。 母はフライ返しを使わず、箸だけで、ささっと巻いた。 弁当箱に鎮座していて、どーんと主役。 いつも炒め煮の汁と卵が汁がとろんと混ざり、 ご飯にじわじわ〜と流れてくる。 この煮汁が、ときどき弁当箱から漏れて、 教科書やノートに侵入してくるのが悩みでもあったんだけどね。 ページの隅に、薄く醤油色のシミと香りに気分は下がったものよ。 母のオムレツは、美しい黄色が眩しい日もあれば、 少し目を離してしまったのか、 卵が妙に焦げた黒い枕になった日もある。 包む文化の思い出、そう考えているあいだに、 オーブンの中で焼き春巻きが、 ぱちぱちと音を立てている。

⚫️170℃で25分 ほったらかしでOK〜 中まで火が通ったかな。 まずは一本、不恰好なのを選んで

⚫️ライム絞って、芥子と黒胡椒をちょんちょん付けていただきます へへへ、味見という名の、最大のつまみ食い。 ビール欲しい〜。 移住生活ランキング
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