赤い街で、年が暮れていく ――ホーチミンの年末、贈答品とフェーブの話
ベトナムの年末は、街が赤に染まっていく光景から始まる。

日本と同じように、贈答品の季節でもある。 スーパーやデパートには目につくところに特別仕様の豪華なパッケージが飾られ、 各社の「腕の見せどころ」がそこかしこに現れる。 会社のスタッフにも、毎年、選ばれた贈答品が配られます。 ずしりと3キロはありそうな大きな箱を抱えて家に持ち帰る。これが年末。

家族で開けて食べるその時間が、年末年始の雰囲気を高めてくれるのかしら? そういえば、あったね。日本にも。 昭和の頃、父がウイスキーやビールをもらって帰ってくる中に、 かわいいクッキー缶が混ざっていると、それだけでわぁ〜と気分が上がった。 姉が缶にぴっちり貼られたシールを綺麗に取ってくれて、ふたを開けてくれる。 甘い香りと、普段とは明らかに違う、綺麗なお菓子。 贈り物の箱には、子どもにとっての小さな祝祭が詰まっていた。 年末の街もまた、少しずつ正月の色に染まっていく。 近所の団地では住民たちが飾り付けを一つひとつ取り付けていた。 造花を盛られた生木は別の植物のようになっていく。

わっさわさに、つけすぎじゃないか?と思うくらい。 とにかくたくさん飾る。 それがお正月、という感じで、その様子を眺めているだけで微笑ましい。

空き地では子どもたちが振り付けの練習。 お正月に披露する獅子舞のような踊りかな。 年末モード高まってます。

そんなベトナムの年末の中に、ほんの少しだけ別の文化を差し込んでみた。 スタッフたちへのおやつとして用意したのは、フェーブ入りのケークサレ。

フランスではガレット・デ・ロワのなかに小さな人形を入れるのだけど、 ここではもちろん馴染みがない。 (だけでなく)私がパイを作るのはしんどくて・・・ 簡単な惣菜ケーキにしたのですよ。

ただ「一つだけ、中にラッキーチャームが入っているよ。さぁ、選んで!」という遊びじゃ、 万国共通のようで、一通り説明したら、みんな、ワァワァ言いながらケーキを選んでた。 そして「せーの!」でケーキを割って、人形を探す。

⚫️出ました〜 干支の馬のフェーブ! 結果、チュオンさんが当たりを引き当てた。 フランスの正式な形とは違うけれど、これはこれで盛り上がる。 贈答品の箱に、日本の昭和の記憶が重なり、そこへフランス由来の小さな遊びが入り込む。 文化は混ざり合いながら、街の風景になっていく・・・かな。 赤く色づくホーチミン、今年も新年が近づいている。 移住生活ランキング
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