Ho Chi Minh City

ホーチミンの市場から、ひとつ季節を持ち帰る。〜北部すももで焼く米粉パウンドケーキ〜

雨季の入り口になると、市場の色が少し変わる。 フルーツの彩りが増してくる。 いつもの野菜売り場に、真紅色の果実が目に飛び込んできた。 ベトナム北部から“空輸したよ、美味しいよ”と 店主の手書き看板の下に山積みになる、すもも。

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ちょうどおじさんが品定めをしていて、 手のひらに乗せては裏返し、また別の実と見比べている。 袋に一つずつ入れているその姿がなんだか愛おしくて、 私もつられるように足を止めた。 値段は1キロ25,000VND。150円! こレデ60円くらい。

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日本円にすると驚くほど安い。 薄皮にはじけそうな弾力を持ち、深い赤色を放つ小玉すもも。 家に帰ると、ささっと洗って、まずは口に放り込む。 そのままかじると、甘さだけではない。 きゅっと頬が締まるような酸味。 南国の暑さに、だるんとしていた身体を目覚めさせてくれる酸味。 これこれ身体に走りわたるちょっとした甘い刺激。 ヨーグルトに入れると、白いヨーグルトの中で赤い果肉が映える。 混ぜていくとピンクになる可愛らしさも、ハッピーになる時間。

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ただ夫婦で食べる量には限界がある。 気がつけばまだたくさん残ってる。 さて、どうしよう。 いたむ前に、なんとかしよう〜と夕方腕を振るうことになったのが “すもものパウンドケーキ”。 ベトナムで暮らしていると、小麦粉よりも先に目につくのが米粉。 スーパーの棚には驚くほどたくさんの種類が並び、 用途ごとに細かく分かれている。 せっかくならベトナムらしく、今回は米粉で焼いてみることにした。 室温に戻したバターを、つやが出るまでとにかく混ぜる。 粉糖を加え、さらにアーモンドプードルを少し。甘さだけではない、 焼き菓子らしいコクが欲しかった。 すももは5つほど。皮ごとざくざく切って、生のまま生地へ。 ところがここで問題発生。 パウンドケーキ型が見当たらない。 引き出しを探し、棚を探し、それでも見つからない。 結局、急きょ丸型で焼くことにした。 まあ、なんとか〜なるでしょう。 家庭料理で我が家のあるある。 そう思いながら生地を流し込むと。 量がピッタリ! 嬉しい予感。

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オーブンに入れて170℃で30分。 これが予想以上によく膨らんだ。 表面の焼き色が早めに強くなったので、オーブンのドアを開けて、 アルミシートをハラリと被せる。 甘い香りが、ぐわ〜っと押し寄せた。 申し分ない。 予想以上の出来上がりにびっくり。

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焼きたてを切りたい気持ちをぐっとこらえ、一晩休ませる。 翌朝。 ナイフを入れると、断面から赤い果実が顔を出した。 少し沈んではいるけれど、それがかえって自然。 素人のお菓子作りはプロとが計算できることができない。 レシピとにらめっこする程度の経験で勘によると頃が多い。 だから奇跡の一皿。

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生地の中に散らばる赤色は、生地に馴染み 赤のグラデーションを描いてる。 生々しい赤から ポップアートの可愛らしさを醸し出していてキュート! ひと切れを皿にのせ、濃いベトナムコーヒーを淹れる。 市場で買った季節の果物を焼き菓子に変え、その日のおめざ。 こんな何でもない流れが、妙に豊かな気持ちにしてくれる。 スタッフたちにもお裾分けしよう。 北部から届いた旬のすももが、 ベトナムの米粉と出会い、小さなケーキになった朝。 常夏のホーチミンにもちゃんと季節の変化を知らせてくれる。 愛おしい焼菓子とLovely Day〜! 移住生活ランキング

#ベトナムで料理する#ベトナムの日常徒然

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