Ho Chi Minh City
朝は女たちから始まる — 六時前の市場 —
夜明けすぎの市場は、もうすっかり出来上がっている。 六時前だというのに、野菜は山のように積まれ、 魚は跳ね、氷は解けはじめている。 前を通るだけで、 「姉さん、姉さん、寄ってって」 「買っていきなよ」 と声が飛ぶ。 甘えるような声ではない。 威勢のいい、腹の底からの声。 私はこの声を聞きに、散歩の足を市場へ向けることがある。 旬のものを探すというより、 この朝の熱を浴びに来ているっていう感じ。 各種食堂は準備に大忙し、 隣には、食後のコーヒーとスイーツを準備する店がある。

いい風景だなぁ〜。

そして今日は、少し奥へ入ってみた。 生鮮の通りを抜けると、空気がふっとゆるむ。 米屋は常連相手の商いだからか、どこかのんびりしている。 店先でコーヒーをすすり、近くの店の女たちと世間話。 笑い声がこぼれている。 と思えば・・・ ひとりの姉さんが、黙ってパソコンを見つめている。 低い腰掛け椅子に腰をおろし、 マウスも、同じような小さな椅子の上。 市場の真ん中に、ノートパソコン。 少しちぐはぐで、でも妙に似合っている。

威勢のいい声と、静かなクリック音。 どちらも、この街の朝。 市場はもう朝の真ん中にいる。 私はまだ、その縁に立っている。 移住生活ランキング
#ベトナムの日常徒然#ベトナムの屋台
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