Da Lat

トラクターで迎えに行く結婚式

ベトナムで暮らし始めて数年。 数えてみれば、もう20回以上は結婚式に出席している。 巨大な披露宴会場、何度も繰り返される乾杯、大音量のカラオケ。 ベトナムらしい盛大な結婚式にはすっかり慣れたつもりでした。 それでも今回、初めて見る景色にまた出会えた。 夫の会社で長く働くスタッフさんの結婚式へ。 家族ぐるみのお付きあいみたいなもの、私たちにとっても本当にうれしい一日。 この機会に、夫婦で念願のアオザイを仕立てました。 式はダラット近郊。 前日の夕方、寝台バスで約6時間。 カーテンで仕切られたコンパクトなフラットシートに寝転びながら向かいます。

IMG_2351

到着すると、すでに前夜祭が始まっていました。 親戚も友人も集まり、乾杯、乾杯、また乾杯。 そしてカラオケ大会。 「結婚式は前日から盛り上がる!」 ベトナムの慣わしを感じながら、翌日の本番を迎えます。 翌朝、新郎は仕立てたスーツに身を包み、現れました。 そして手には、新婦を迎えるアイテムを持って。

IMG_2345

赤い傘と花束、そして、花を散らし飾ったノンラー(傘)。 この季節、暑くて紫外線から守るのにはノンラーが一番。 ただ花嫁ように、とっても可愛らしく飾られていました。

IMG_2346

そして、ここから花嫁を迎えに向かうのですが…… その乗り物を見て、思わず驚いた! なんと、トラクター。

IMG_2347

荷台には会社のスタッフや友人たちが乗り込み、出発です。 スピーカーまで積み込んで、音楽は爆音。 花嫁の家までおよそ20分くらいの道のり。

IMG_2349

ビデオ、写真をとりあい、歌い、笑い、揺られながら、 みんなで落ちないよう支え合って進んでいきます。 道端の人も手を振り、笑顔を返してくれる。 今、ここには幸せの時間しか流れていない。邪気ゼロ! 花嫁の家に着くと、家族が出迎え、花嫁が姿を現します。

IMG_2343

真っ赤なアオザイに身を包み、少し照れたような笑顔。 とっても美しく、ノンラーもお似合い。

IMG_2348

花嫁をトラクターに乗せて出発すると 親族を乗せたバスも後ろに続きます。 小さな車列になって町を走り、結婚式会場へ。 まるで町全体に、 「今日は、おめでたい日ですよ。」 と知らせているようでした。

IMG_2350

その様子を見ながら、ふと、昔の日本も、 こんな風景があったのではないかと思い出しました。 花嫁が実家を出る日。 近所の人が集まり、お祝いをし、親戚が見送り、 地域のみんなで新しい門出を祝う。 結婚は家族だけのものではなく、地域全体のお祝い。 今では、その風景はほとんど見られなくなりました。 もちろん、日本の結婚式には日本らしい美しさがあります。 洗練され、丁寧で、細やかな心配りに満ちています。 でも、ベトナムの地方には、 もう少しだけ「村のお祭り」のような温かさが残っています。 誰か一人の幸せを、自分のことのように喜ぶ人たち。 その笑顔が本当にまぶしかった。 トラクターの荷台で風を受けながら、 みんなが笑っていて、祝福してて、平和の真っ只中にいた。 大人たちが本気で歌って、本気で笑って、誰かの幸せを全力で祝う。 おめでとう、Hさん、Tさん! ベトナムの結婚式には数多く出席していますが、 今回ほど心に残った式はありません。 失われつつある日本の結婚式の原風景を、 私はベトナムの田舎町で見つけたような気がしました。 移住生活ランキング

#ベトナムの日常徒然#ベトナム国内旅行

コメント