Ho Chi Minh City

器の沼は静かに始まる ― 南部の器、ライテウ焼きに出会う ―

最近、気になる焼き物に出会ってしまった。 もともと器が好きで、日本からお気に入りの作家さんの器を大事に持ってきたりもしたのだけど、 場所が変われば、その土地その土地に魅力的な焼き物がある。 モノを増やさない(むしろ減らさなきゃ)と思いつつ、気づけば増えている。 反省しつつも、これはもう仕方がない。 日々の暮らしは、毎日使うお皿や器、湯呑みの質感ひとつで安定するもので 手にしたときに「しっくりくる」と、生活の価値観が少し上がる気がする。 今日は、そんなベトナムで出会った器の話。 ざっくり言えば、ベトナムの器の世界は北と南で空気が違う。 北部にはバッチャンがあり、南部にはソンべ。そういう括りで語られることが多い。 けれど少し調べただけでも、その境界や時代背景は思ったほど単純ではないようです。 ソンべ焼きに詳しいお店の方に話を聞いたこともあるけど、とにかく奥が深くて、 なんだかややこしい、という印象。(店主の方はとにかく詳しい〜、とても勉強になった) 私自身、ソンべ焼き(Gốm Sông Bé)の素朴さも好きで集めたり、歴史を調べてみたりもした。 もともとは屋台や民家で使われていた器なのだから、本当は気軽に使いたいのだけれどね。 古いものは歴史的価値が出て、いまや少し高価になっている。 使っているうちに器は欠けたり、歪んだりするから、そんなに高くないものとして入手したいものよ。 それでも昔のものは無くなってきてるので、アンティーク的な価値が出るし、仕方ないか。 技術を継承しながら「新しいソンべ」を作っている人たちがいると知ると、 頼もしくて応援したくなるんです。 そして今、ソンべと並んで私的ブームが来ているのが、ライテウ(Gốm Lái Thiêu)焼き。 出会いは、夫の誕生日。 スタッフが抱えながらバイクで運んでくれ、プレゼントしてくれた大きな花瓶が ライテウ焼きでした。カイン君、ありがとう!

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⚫️スタッフたちの贈り物に喜び爆発〜 もともとライテウ焼きは気になっていたけれど、一般的な雑貨店に並ぶことは少なく、 たまたま見かけたり、レストランのオブジェで見かけて「いいなあ」と思う程度。 まさかプレゼントされるとは思わず、夫以上に狂喜乱舞したのは私。 今は、我が家のリビングに鎮座してる。 大きいので、置くだけでも可愛いし、枝ものをダイナミックに飾れる花瓶としても使っている。 ほんと最高〜。

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⚫️頂いたのは、ふんだんにお花と色が混在〜派手〜 では、このライテウ焼きとは何なのか。 調べてみると、やっぱりややこしい。 日本語で整理された文献はまだ多くないようで・・・大変。 ざっくり言うと、南部で「ソンべ焼き」と呼ばれる陶器の中に、 ライテウという町の名前を冠した器が重なり合うように存在している、ようです。 つまり「ソンべの中のライテウ」という感じで、両者は混ざり合ってて、 線引きもはっきりしていないみたい。 私が惹かれているライテウ焼きは、表面を埋め尽くすように構成された花のモチーフ。 赤、桃、黄、青、茶、紺…。 色数がとにかく豊富で華やか。でも華美すぎず、どこか甘美で、素朴さもあるのよね〜。 日本で言えば、九谷焼や有田焼の美しい色絵と、沖縄のやちむんの土っぽい親しみを 合わせたような、不思議な魅力がある。 花瓶だけでなく、置物としてユニークなものが作られているのもベトナムらしくて可愛い。 定番は豚。鶏や小鳥もモチーフになっている。

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⚫️手乗りサイズの小鳥 鳩笛に似てる でも断然多いのは、やっぱり花。 名もなき花から牡丹、蓮まで、細かく緻密に描かれる。 生活の中で使われるものなのにかなり手数が多い。 家庭的でありながら、手の混んだ作り、そのアンバランスさが面白い。 南部が好む色彩感覚にも合っているのだろうな、と想像する。 じゃ、なぜこんな陶器が生まれたの? と調べたら、これまた面白い。 19世紀中頃に中国南部出身の職人さんが南部へ移り、技術が持ち込まれたと資料にあった。 ビンズオン省周辺は粘土や流通条件にも恵まれてるから、生活陶器の産地として発展。 中国陶磁の技術とベトナムの感覚が混ざり合い、釉薬や絵柄の独特な世界が育ったようです。 さらに1960年代には、ベトナム国内だけでなくラオスやインドネシア、フィリピンにも流通した 「黄金期」があったとも紹介されていて、ぐっとワクワクする。 日本の九谷焼、有田焼が万博で注目されて、 海外に流通されたっていうのもあって、なんだか、そこも勝手に親近感。

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⚫️手のひらにすっぽりおさまるサイズ そんな思いを高めていた時に、小さな茶器を見つけたので、ひっそり購入してしまった。 雑と言えば雑、なんだけど手描きの花がぎっしり詰まっていて、 濃い青からパステルピンク、ロータスグリーン、レモンイエローが散りばめられている。 眺めているだけで時間を忘れる。 まだ夫には買ったことを言っていないけれど、 さりげなくお茶を入れたり、 スパイスを入れたりして、そっと食卓に出してみようと思う。

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⚫️よくみたら、全部お花の色合いが違う〜 そしてライテウのこと、もう少し深みにはまってみよう。 またひとつ、暮らしの中の楽しみが増えてしまった。 以下の資料を参照しました。 (ライテウ焼きは日本語でまとまった文献がまだ少ないようなので、主にベトナム語・英語資料を手がかりにしています。) Vietnam Pictorial(Vietnam News Agency) “Lai Thieu Pottery” https://vietnam.vnanet.vn/english/long-form/lai-thieu-pottery-321686.html Endless Vacation “Gốm Lái Thiêu – nét đẹp văn hóa Nam Bộ” https://endlessvacation.vn/gom-lai-thieu-net-dep-van-hoa-nam-bo/ Art Home “Lịch sử gốm sứ Lái Thiêu Bình Dương” https://online.art-home.vn/lich-su-gom-su-lai-thieu VietnamNet “Binh Duong pottery: a rich tradition worth preserving” https://vietnamnet.vn/en/binh-duong-pottery-a-rich-tradition-worth-preserving-and-fostering-2250873.html 移住生活ランキング

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