旧正月、ウブドにて(バリ島日記①)
旧正月は、できれば海外で過ごしたい。 夫と私の、なんとなく続いているささやかな思い。 ベトナムに来てからもうずいぶん時間が経った。 けれど旧正月を夫婦でのんびり、というのは案外むずかしい。 コロナもあったし、仕事もあるし、友達と過ごしていたり・・・ 「気づいたら今回は合わせた行事」ということもある。 久しぶりに今回は、バリ島ウブドへ。 バリは三回目。ウブドは特に好きな場所で、前回はコロナ前だから、 気づけばずいぶん久しぶりになる。 やっぱり落ち着く。 落ち着きに来たはずなのに、来るまでが落ち着かないのが人生で。 事前準備は完璧ではなかった。 ホテルと航空券を早めに取ったところで、ひと段落した気になってしまった。 直前になってビザ〜VOAだと慌てる。 両替も、日本円かベトナムのお金か、どっちをドルに替えたほうがいいのか迷ったまま。 迷ったまま出発する。迷いは置いていくものではなく、持ち運ぶものらしい。

航空機の遅延やらなんやらあって、ホテルに着いたのは夜だった。 けれどウブドの静けさと湿気、虫の気配、鳥の息遣いに包まれた森に帰ってきた。 森はいい。 こちらが勝手にバタバタしていただけで、森は最初から森だった、という顔をしている。 今の私たちは、海よりも田舎の気分。 田んぼや丘や森に惹かれている。年齢のせいにしておくのがいちばん平和かも。 もっと若い頃は「海!」とか言っていた気もするが、今は坂道のほうに心が動く。 ウブドはお店が増えていた。賑やかになったようにも見える。 それでも狭い道や急な坂道を通ると、この土地の厳しくも豊かな感じが残っているのを思い出す。 バナナの木が揺れている。 虫が鳴いている。 鳥が囀っている。 昼から雨が降るらしい。 雨季のウブドも神秘さが増すいい季節。 明けましておめでとうございます。 今年もまた、歩んで参ります。 とりあえず、水を買いに行こう。 旧正月の始まりは、案外そんなところからだ。 そして私はたぶん、水を買いに行くだけで少し達成感を得る。 移住生活ランキング
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